著者:森鴎外
旧仮名なのでとっても読みにくかったです。古文ほどではないけど。
しかし、それ以上に愛に満ちていたのです。
これはね、エリート官僚でドイツ留学している豊太郎が踊り子のエリスに恋をする物語なの。
豊太郎はたまたま合ったエリスに恋をして、エリスの元へと足しげく通い、そのせいで国から学費をカットされてしまうの。でも友人の相沢の助けによりドイツで新聞社の仕事を得ることができた豊太郎は、その僅かな賃金でエリスと同居を始めるの。そんな幸せな日々が続いてしばらくした後、相沢が大臣とともにドイツにやってくるの。大臣は豊太郎に通訳としてロシアまで付いて来いって言うのよ。ここで豊太郎は条件反射で了承してしまってから悩むんだけど、その心情がすごく純粋で美しいの。
ロシア遠征中にエリスが豊太郎に書いた手紙も必見。特に2番目の手紙の書き出しに注目だよ。
「否、君を思う心の深き底をば今ぞ知りぬる。」
メヌ訳「いいえ~。あなたを愛する心の深い底を今知りました。(離れ離れになってから、私がどれだけあなたを愛していたか、その深い深い心を自覚したんです。)」
この後続く手紙には、豊太郎様にどこまでついて行きますわ。日本まで連れて行ってください。愛があればなんとかなる~みたいな文章が続いているの。こんなお手紙を旅先でもらったら、もう元気100倍よね。俺は君のために一生懸命がんばる!って思っちゃうんじゃないかな。
そして、子供を授かったエリスの嬉しそうなこと。
「わが心の楽しさを思いたまえ。産まれん子は君に似て黒き瞳子をや持ちたらん。この瞳子。ああ、夢にのみ見しは君が黒き瞳子なり。産まれたらん日には君が正しき心にて、よもあだし名をばなあのらせたまわじ。」
メヌ訳「私の楽しい気持ちが分かる?産まれてくる子はあなたと同じ黒い瞳をしているに違いないわ。この黒い瞳。ああ(あなたの旅行中に)夢にまで見たあなたの黒い瞳と同じ色よ。この子にはぜったいにあなたと同じ姓を名乗らせてね。」
ああ、なんて愛に満ちているのでしょう。こんなこと言われたらエリスを捨てる男なんてぜったいに居ないに違いない。(しかもエリスはとても美人!)
豊太郎、もう何も悩まずに一生彼女についていけよ~って思うのだけど、ここは男のプライドや友人との約束、エリート官僚として国家の役に立たねばならないという思いがあるらしく、豊太郎は葛藤するの。エリスをつれて帰ったら官僚としての道が立たれることは見に見えていたの。
そして、極めつけは相沢の策略。
相沢ー。なんてことをしてくれたのよ。お前は良かれと思ってしたのかもしれないけれど、そのせいでエリスは、エリスは~
⊂( TT __ TT )⊃うわーん
ああ、愛とはかくもほろ苦く悲しいものなり。
私はハッピーエンドを希望する。
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